Rien Du Tout
好きな事を好きに語る
医療

SAFE-ABC 戦場での一次救命処置

皆さんは一次救命の研修は受けていますか?

人工呼吸や心臓マッサージです。有名なところで「ICLS」がありますね。

心肺蘇生の方法はガイドラインがあり、組織や資格が違っても手法は大きくは違いません。

世界の何処でも如何なる環境でも使えます。

 

しかし、戦場では少し違った形で行われています。

SAFE-ABC & MARCHE-RYAN です。

ご存知ですか?

戦場で負傷者が出た場合の一次救命処置です。

 

この SAFE-ABC & MARCHE-RYAN はソマリア内戦でアメリカ軍が多くの負傷者を出したのきっかけで作られた聞きました。

ソマリアの「モガディシュの戦闘(1993年)」は映画にもなりましたね。

ブラックホーク・ダウン【動画配信】

よく出来た映画です。

 

各国の軍隊が採用しています。軍隊により多少の違いはあると思いますが流れほぼ同じです。

軍隊が共同作戦を行なった場合に、お互いのやることが統一されている方がスムーズに負傷者を救助できるからです。

先ずは、SAFE-ABCについて少し説明をしていきます。

 

SAFE

これは項目の頭文字をとったものです。

S:Stop the burning process

A:Assess the scene

F:Free of danger for you

E:Evaluate(ABC & MARCH)

 

S:Stop the burning process(仏語:Supprimer la menace)

負傷者が出たという事は襲撃されたという事です。

敵がいます。

なので反撃して、その脅威を排除します。

何より先に撃って撃って撃ちまくります。

 

A:Assess the scene(仏語:Analyse du contexte)

状況の評価。

敵の状況。味方の状況。負傷者は何人か?

周りをよく見て、状況を確認して、次に出来る事やる事を考えます。

 

F:Free of danger for you(仏語:Sans Danger)

自分の身に危険が無い事を確認。

その後に負傷者を危険な所から救出。

負傷者まで駆けつけ掴みむ。そして障害物などの安全な場所まで引きずる。

負傷者に駆けつける際は、仲間に周囲の警戒と援護射撃をしてもらう。

自分と負傷者を安全な状態に持っていきます。

 

E:Evaluate(ABC & MARCH)(仏語:Evaluation du blessé)

START(Simple Triage And Rapid Treatment)を行います。

簡単なトリアージと、素早い処置です。

負傷者が大勢いる場合は誰から処置を開始するかが大切です。

絶対に助からない致命傷を受けた負傷者に時間をかける事で、救えた他の多数がいてはいけません。

逆に命に別状がない負傷者に対応して、重篤な負傷者を見逃すのもダメです。

トリアージは辛く責任が伴う作業でしょうが、頑張りましょう。

何もしないと全員死にます。

 

ABC

トリアージ(Evaluate)と並行するのがABCです。

A:Airways

B:Bleeding & blanching

C:Cognition

 

A:Airways

軌道の確保。

頭部後屈顎先挙上法を行い、呼吸をしているかを10秒以内で確認します。

呼吸をしていなかったら心肺蘇生法を開始。心臓マッサージです。1分間に100回のペースで胸部の中心を押します。5cmほど押し込みましょう。

民間であれば傷病者が回復するか、医師が指示するまで心臓マッサージを続ける必要があります。しかし、軍隊では最低1分です。

1分間心臓マッサージしてダメなら止めても問題ありません。

もちろん、状況が許すなら可能な限り心肺蘇生法は続けるべきですよ。

 

B:Bleeding & blanching

出血の確認。

小さい傷は無視して、大量に出血している場所を探します。

拍動する色鮮やかな真っ赤な血液は動脈血です。非常によろしくない状況。わずかな時間で死に至ります。

駆血帯を使って止血。その後に額に駆血した時間を記入しましょう。

 

C:Cognition

意識の有無。

呼びかけて返事か有るか無いか。

意識があるのなら戦闘の続行が可能か確認。働いてもらう。

意識がないのなら回復体位にする。要するに横向きに寝かせる。

 

備考

ご覧に頂くと分かると思いますが、民間でやっている事に少し手を加えただけです。軍隊だからと言って特殊な事をしている訳ではないです。

しかし、何が起こるが分からないのが戦場です。

もしかしたら最初の敵の排除ができない可能性があります。

安全が確保できない状況で負傷者を回収しに行かなければならないかもしれません。

ガイドライン通りに行く事の方が稀でしょう。

 

次はMARCHEです。